私は数年前、特定労働派遣会社に入社し、大手自動車メーカーに派遣され7年間働いた事があるのだが、
常々派遣なんて制度はおかしいと感じていて、ついには転職し今に至っている。
今思うことは本当に派遣会社をやめてよかったと思っているし、派遣会社なんてこの世の中からなくなればいいとさえ思っている。労働者派遣法は度々改正されており、筆者が当時派遣会社に在していた時は特定労働者派遣と一般派遣の2種類の派遣会社があったが、今は改正され特定労働者派遣はなくなっていたりもする。
派遣という働き方はメリットもデメリットもあり、きちんと理解したうえで派遣として働くという選択をしないと人生無駄な時間を過ごすことにもなるので、派遣会社に7年間の在席経験がある私が、派遣として働く、という事について考えをまとめてみる事にした。
人材派遣労働とは
自社で雇用している労働者を別の会社に派遣して労働する雇用形態の事。
派遣先会社、派遣元会社ともにメリットがあるため、派遣業界は2024現在も派遣労働者の数は増加傾向にあります。
IT系なんかは客先に派遣され、常駐してるイメージが強いですよね。
派遣には下記のように何種類かあります。
一般派遣(登録型派遣)
⇒派遣会社に登録して派遣期間のみ働く。いわゆる世間で言われる派遣とは一般派遣を指す場合が多い。
そして特別なスキルを必要としない仕事が多い。
紹介予定派遣
派遣先の企業に直接雇用されることを前提としている派遣。一般派遣は派遣期間3年だが紹介予定派遣では6カ月。
派遣期間中に企業と本人が検討し双方の合意があればそのまま直接雇用となるが、必ず直接雇用になるわけではない。
特定派遣
⇒派遣会社に正社員として常時雇用される。そのため、派遣先での就業時と派遣が見つからない時でも給与は発生する。福利厚生も一通りそろっている会社が多く、技術職などの専門知識を問われる仕事に多い派遣形態。私も特定労働派遣として7年間2社で働いていました。労働者派遣法の改正により、2015年9月30日をもって特定派遣は廃止されている。
企業が派遣を使う理由
必要な時、必要なだけの労働力を確保できる、これが非常に大きい理由です。
労働者を一人雇うとなると、会社が労働者にかけるコストは毎月の給料だけではなく、下記のコストがかかります。
これが企業側からすると非常に負担になってしまいます。
・教育費
・設備代
・社会保険料
・残業代
・ボーナス
・退職金
これらの負担は非常に大きいが、派遣を雇うとこのコストがなくなり、必要な時、必要なだけの労働力が確保できるため、企業側に非常にメリットがあると言えます。
※必要な時だけ呼ぶあたりは男女のセフレの関係と同じようなものですね。
あの事件をおこした時のアンジャッシュ渡部さんと同じ思考回路だといえます。
正社員は労働基準法で手厚く守られているため、何かあっても簡単に解雇できませんが、派遣だと面倒な手続きなしで簡単にお別れできるのも企業側からすると大きいなメリットです。
なので長期的にみたらコストが安くつく、そもそも長期で雇用しようとは思っていない。
企業は必要な時に必要なだけの労働者が欲しい、ましてや派遣だと教育する手間もなくなり都合がいい。
日本だと派遣なんてやりたがるのは楽したいスキルを持たないが人材が多数なので、企業のいいように飼いならされているのが現状だと思います。
派遣で働くメリット、デメリット
メリット
- 手っ取り早く働ける
- 責任の大きな仕事をしなくて済む
- 低スキルがゆえ本来は足を運ぶことさえできない大手企業で働く事ができる
- 未経験であれば、まずは派遣として経験を積む事ができる
- 職場をある程度選択できる。合わない職場であれば変更も可能。
ざっと書いてみましたが、この中本当にメリットといえるのは4.くらいではないでしょうか?
私の場合、若いうちに派遣として大手企業で働けたのはなかなかいい経験でした。普段会えないような優秀な人と仕事ができ、大きな刺激となりました。
私は技術職を志したときは23歳でブランクもあったので、いきなり正社員として働くのは厳しい状況でした。なのでまずは派遣として大手自動車メーカーで働き、経験を積んだ後に機械メーカーへ転職しました。
結果、派遣社員時代より給料と労働環境は大幅に向上したと思います。これが一番理想的な派遣のキャリアアップの方法だと思います。
デメリット
- 雇用が不安定
- 派遣先社員と比べると給料は低い
- 年齢が上がると派遣先がなくなり、飼い殺しか首を切られる可能性がある
- 派遣先の社員との壁を感じながらの仕事になる
- スキルアップにつながらない職場に配属される可能性もある
派遣は時給換算では悪くはないのですが、派遣先の都合次第で簡単にクビを切られてしまいます。
派遣会社によっては、自社で待機中でも給料はもらえますが、一生それでいいんでしょうか?家庭持ちだとかなり不安になると思います。やはりスキルをつけて若いうちに転職するのが派遣会社の使い方だと思います。
なぜ派遣を選ぶのか
- アルバイトやパートよりは高収入
- 働く時期や場所、仕事内容を選べるから
- フリーランスの仕事や副業と両立したいから
- 大手企業やホワイト企業で働ける
- いきなり正社員にはなれないため、まずは派遣で経験を積みたい
- 色々な職場を経験することができ、スキルを上げられる
派遣という働き方を選んだ理由は人によって事情はさまざまなですが、前向きな理由であればいいと思います。
ただ私が実際派遣で働いてみて感じたのは、結局のところメーカー(派遣先)の社員となるスキルがないため派遣を選ばざるを得ないというのが本当のところだと思う。
アメリカだと派遣は即戦力になるスキルが高い人材を雇うため、給料も派遣先より高額な場合が多いらしいが、日本だとコスト削減のために派遣を使う企業が大多数のため、結局使い捨て前提での雇用になっているのが現状です。
本当にその人に派遣先社員よりも超人的なスキルがあり、技術だけで食っていくんだ的な気概があるなら派遣もありだと思う。が、そんな人ごくごく一部です。だったら派遣として大手で働いている環境を生かしとにかくスキルアップと経験に力を入れて転職するのが正解だと思う。
私が派遣から転職を志した理由
簡単に言うと派遣という働き方に限界を感じたから。
派遣社員だと、どんなに仕事ができても派遣先の都合で簡単に切られてしまいます。実際そのような先輩も何人かみてきました。または派遣であるがゆえ、仕事の深いところまで関われないなどの悔しい思いもありました。
私の場合は特定派遣であったため、自社に戻っても給料はもらえましたが、先行きが悪いのは不安になります。
結婚も控えていたので、派遣会社ではなく腰を据えて働ける環境で働きたいと思い転職を決めましたね。
あとは職種もちょっとだけ変えたいって思いもありました。
ちなみに私は大手自動車メーカーに派遣されていましたが、契約上は請負契約にも関わらず実際の業務の指揮命令は派遣先からであったり、そもそも二重請負であったり、仕事がかなりやりずらい面があった。(そして偽装請負と二重派遣は違法!そういえば事前面接もあったし、違法だらけの会社でした)
こんな大きな会社で偽装がまかり通っているなら、おそらく派遣業界では相当数の偽装請負が横行しているんだろうなぁと思い、派遣という働き方はやめようと思いましたね。
まとめ
派遣業界は派遣労働者のまぁこれぐらいでいいやに付け込んで、生かさず殺さずでお金をかせぐところがいただない。派遣社員も現状に満足?して、そこから抜け出せない、抜け出そうとしないのもいただけない。
本来派遣という働き方は、スペシャルな技術をもった人材が、即戦力の助っ人として企業に出向き、プロジェクト終了したら次の会社を渡り歩くといった技術が企業社員よりあるがゆえの働き方なのに、日本だと現状、正社員になれない人の受け皿となっている点でやめた方がいいと思う。
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